「油の一滴は血の一滴」1
ここでの油の意味は燃料を指します。
燃料がどれだけ貴重かということです。
日本は原油を含む資源がなく輸入に頼る国で、車両、艦船、飛行機を運用する人たちの間で『油の一滴は地の一滴』と燃料を大事に使ったということです。
また日本がオイルショックを経験したしたとき当時の首相の方が口癖のようにおっしゃっていたとも聞きます。
そのため原子力エネルギーの開発に力を入れるようになった経緯もあるようです。
ここでの油(あぶら)の意味は燃料を指します。
先の大戦の末期には戦闘機の燃料に松根油(ショウコンユ)という松の根っこを煮て油脂を取り それを精製して燃料として使用を試みたということです。
涙ぐましい試みにもかかわらず92オクタンが出たかどうかは疑問だそうで当時の航空ガソリンのオクタン価は72から92で高出力設計エンジン機においては
87以上が必要だったとのことでより高いオクタン価の燃料を十分に供給できていたわけではないようです。
現在の航空ガソリンのおもな等級は80(赤),100LL(青), 100(緑) の3種類があります。 LLというのは低鉛(LOW LEAD)です。
グアムで飛行するとき燃料の色が何色か見てください。操縦訓練では飛行前点検で燃料タンクに搭載されている燃料に適正な燃料が入っているかとを燃料の色で判断します。
また、水などの混入物が入っていないかも確認します。 弊社のセスナ172P型機が使える燃料は100LL(青), 100(緑)になります。
昔でいうところの高性能航空ガソリンを使用しております。
弊社の航空用ガソリン(AVGASアブガス)は米国本土から輸入しております。
船便で運んでいるので燃料の価格と船の運賃、港から空港までのトレーラーが陸送するまでの運賃が掛かります。
また将来的に航空燃料はジェット燃料と違い供給が難しくなるといわれており、抜本的な解決をしなければならないと考えております。
簡単に自動車用のガソリンを使えばよいではないかといわれます。そのためには特別なSTCというFAAの認可したパッケージを購入する必要があります。
このパッケージは機体とエンジンの両方のパッケージを購入する必要があり、いろいろと制限が付きます。
ただしこのパッケージを購入して自動車用ガソリンを使用するとエンジンのシリンダーの傷みが早くなったり制限事項を知らずに使用範囲を超えてしまうと
最悪エンジンの停止もあり得ます。デメリットとして整備コストが上がる。 お客様を有償でお乗せするフライト、有償での飛行訓練ではそのパッケージの使用ができないという問題があります。
いずれにしましてもあらゆる方向で航空燃料確保と安定供給に東奔西走しております。 この点は昔も今も変わらないのかもしれません。
日本でも航空燃料が入手しにくいということで航空燃料を探して事前予約をして飛行計画するので小型機の運用はかなり制限されていると聞きます。
最近では価格の安く入手が容易なジェット燃料(ケロシン)を使用できる航空用ディーゼルエンジンの使用も進んできています。
航空用ディーゼルエンジンの先駆運用国のタイランドでは航空用ディーゼルエンジンの評判も良くなく 不具合や整備ができないなどの
問題が多発して徐々にその機数が減っているようです。
今空飛ぶ車が電動で飛ぶという話がありますが継続して飛べる時間が長くて20分だそうです。
技術革新が素晴らしく軽飛行機も電気で飛ぶ時代が来るかもしれません。
TVAのCessnaは7時間飛べるのでそれに代わるバッテリーが燃料タンクと燃料の重量と同じ重量とエネルギー量を持てるか
急速充電が可能かなどの技術革新が待たれます。
がんばれニッポン!
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