「油の一滴は血の一滴」2
油というとOIL(オイル)とイメージする方も少なくないと思います。
そこで少し『原油』の話からしたいと思います。 原油は油田から出てきたどろどろの黒い
液体で 太古の海底に堆積したプランクトンが化石化し化学変化したもので成分はほとんど炭素だそうです。
次に『石油』とは油井から又は自然に地表に染みだしてきた原油と原油を精製した石油製品の総称をいうそうです。 よく灯油のことを石油といっている場合も多いので明確にしておく必要があります。また、算出した場所によりその原油に特徴があり昔は精製技術が良くなかったときはその産地で使用目的が制限されたりしたようです。
今回のタイトルの「油の一滴は血の一滴」の油は燃料といいましたが石油製品としての燃料と意味を広げることもできます。
では、石油製品にはどのようなものがあるでしょうか。
ナフサ (プラスチックの原材料)
ガソリン (自動車用、航空用)
ジェット燃料 (ジェットエンジン燃料)
灯油
軽油 (ディーゼルエンジンの燃料)
重油 (A重油、B重油、C重油 / ボイラーの燃料又は工業用、アスファルトの 材料、船舶用燃料:バンカー)
潤滑油 (自動車用、航空機用、その他汎用機械用)
硫黄
LPガス
今の精油技術は進んでおり、原油の特性にかかわらず高品質の石油製品が容易にできますが数十年前にはかなりな苦労があったようです。
当時は石油の8割を米国からの輸入に依存していました。
いろいろな制限が加えられ、ついに1941年8月に石油製品の日本への全面的禁輸となり航空燃料と潤滑油が輸入できなくなってしまいました。
現在は原油の8割をサウジアラビアやアラブ首長国連邦に依存しているとのことで
日本がメタンハイドレードのような独自のエネルギー開発に力を入れていくことが重要といわれています。
石油製品が入らなくなった日本では航空燃料の代替品として松根油を戦闘機の燃料として使用したという話があります。
ショウコン油の作り方は別として、実際には実用にはならなかったようです。 学校単位で松の根を採取にいった話はよく聞きます。
量的にはとれたようですが精製後に混濁して品質劣化が早くうまく保存ができなかったようです。
米国で昔のピストンエンジンを装備した飛行機を一般的に“WARBIRD”と呼び自国の工業技術の歴史を残すために大切に飛べる状況で保存しております。
戦後、米軍が日本の航空機に米軍の航空燃料を入れて飛ばしたら高い性能を出して驚かせたという話を聞いたことがあります。
ちなみに現在我々が使用しているセスナは100オクタン燃料を使用しております。
オクタン価の高い燃料を使うとエンジンの性能が上がりますがエンジンの耐久性についても考えなくてはなりません。
エンジンが健全に動くのに重要な役割をして忘れることのできないものにエンジンオイルがあります。 次回へ
コメント