今回もN9853Lは無事にアニュアル・インスペクションを終了する事ができました。
が、安全な飛行を実施する際に少し交換する部品が有りました。
「マグネトー」と言うエンジンの点火プラグ関連部品ともう一つは「MODE C トランスポンダー」と言うレーダー上に実際飛行機がどの高度で飛んでいるかを表す機械のエンコーダーを交換しました。
マグネトーはもちろん飛行機の動力に関係します。今回チェックし、やや不調な部分が見つかり新品をオーダーし交換いたしました。
エンコーダーは何故必要かというと、2006年8月11日からアメリカの地から12マイル以上離れる場合は「MODE C トランスポンダー」、「ラジオ」、「フライト・プラン(飛行計画)」が必要となったからです。つまり、グアムで免許をとる際に必要とするサイパン・ロタ・テニアンまでのクロスカントリー(野外飛行)には高度をレーダー上で的確に伝えるMODE Cが必要であり、そのためにエンコーダーが必要でした。53Lの兄である51Lのエンコーダーはいまだ問題はありませんでしたが、53Lは最近まで数百フィートずれていたので新品を直ちにオーダーし、交換致しました。
確かにグアム内を飛ぶだけであれば必要はないかも知れません。が、我々以外にも他にも飛行機は飛んでいます。他の飛行機ためにも、また飛行機の操縦を教える学校としても精密な「MODE C」は安全を保つために不可欠なのです。(特に計器飛行訓練をする際)
その2つが今回のアニュアルでの一番大きな整備でした。グアムはアメリカ本土から遠いため、オーダーしたパーツも時間がかかります。その間に整備士は他の点検にかかりました。時間を効率的に使う方です。
さすがベテラン中のベテラン!!
そして、19日の晩にテストフライトを行いました。
離陸する前に必ずエンジンなどの最終チェックをします。
マグネトーの調子良し。コントロールもすこし軽くなり、飛びやすくなっている。ライトも全部点灯している。ラジオも問題なし。バキュームも良し。全く問題ない。
機体に装備されている全てのものが正常に動いている。(TVAではあたり前の事だが...)
離陸の許可をもらい空港の上空をくるくると上昇し、まずは4000フィートまで上がる。
エンコーダーよ... 不良品だったらタダじゃすまないぞ... と思いながら4000フィートでコントローラーにレーダー上の高度を見てもらう。「4000フィートです。」
主席も私も、「おっけ~~~♪」
そのまま更に7000フィートまで上昇しました。7000フィートでは...??
「7000フィートです。」
主席も私も、「おっけ~~~♪」
全くずれがありませんでした。そのまま降下をし、その際にラダー・エルロン・エレベーターの具合をチェック。問題ありません。空港では夜間でしたが着陸を3回し、ハンガーに戻りました。
テストフライトの結果: 大満足
安心して飛べる=楽しいフライトができる
そんな飛行機です。
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