皆様、グライダーを飛ばしたことありますか?
この間フロリダでやってきました、私。 日本人の皆さんもたくさんいらっしゃるそうで、オーランドの近郊で、セミノールレイク・グライダーポートです。
グライダー飛ばすのは、私にとっては何十年ぶりでしょうか・・・ 前日夕方まで参加していたNBAAコンベンションでの、ビジネスモードから一夜あけ、一転『飛び』好きな血が騒ぎ出します。 わくわくしながらグライダーポートへ。 オーランドの街中を出たときは朝日が眩しい程で最高のグライダー日和だと思いながら出発したのですが、車を走らせセミノールレイクに近づくごとに霧が深くなり何か怪しい雰囲気に・・・ グライダーポートに到着した時ははっきり言って Low IFR の天気でした。 しかしここは落ち着いて天気悪いから引き返そうなどと考えずに・・・ 空の明るさから霧の厚さを判断し、もうすぐ晴れてくると予想。 ・・・もうちょっと待って見ましょう! (経験から出来ることかもしれませんが、太陽の位置が高い時間であれば、大体上手くいきます、この技) で、もちろん予想的中。
約1時間後には霧も晴れ、段々と雲も高くなり、青空も見え始め、グライダーを格納庫から出して、エアトウする飛行機にもつながり、いざ出発です。
さすが農薬散布に活躍した飛行機だけあります。 私と教官の乗ったグライダーを引っ張りながらもあっという間に5000フィートに到達しました。
ところで、Sail Plane と Glider の違い、知っていますか? 両方とも動力を持たない滑空機ですが、 私が聞いた話では滑空比の大きさで、呼び名が違うようです。 でも総称してと言うか、俗称でグライダーと呼んでいるそうです。 今回私が乗ったのは、この長~い翼からも想像できるように、滑空比の大きな Sail Plane です。
グライダーをされる方がセスナを乗りに来るとき、決まってある癖があります。 今回のフライトでそのなぞが解けました。 それは飛行特性が違うからですね。 Adverse Yaw の発生する度合い、ラダーやエルロンの効き方が違うのが良く理解できました。 Yarn String (人によっては Yaw String と呼ぶ人もいます) をつけて飛ぶなんて、ヘリコプターやったときと、双発機の訓練してたとき以来ですが、やはりこの原始的なものが一番です。
滑空している間は、私が今まで乗ってきた空を飛ぶ乗り物の中では格段に、飛んでいる実感がわくものです。 ヘッドセットせずに普通に話せるのがいいですね。 私の膀胱が持つのであれば、何時間でも飛んでいたいと感じます。
スピードブレーキを使用しながらの進入・着陸は私たち、飛行気乗りから見ると少々ダイナミックとも感じるものです。 滑空比の読みはやはりすばらしいと思います。 でも同時に私たちが訓練生にまず教える、ピッチでのスピード調整がここでも出てくるので、『基本』の大事さをリマインドさせられました。
飛行機に乗っている皆さん、たまには他の空飛ぶ乗り物もいいものです。 もちろん興味がそそられますし、何よりも違う世界が見れると言うのは大事なこ とです。 同じ空をシェアーする違う乗り物に乗ると言うことは、自分を磨くことにもなります。 グライダー、ヘリコプター、飛行船、何でもいいと思います。 その世界を垣間見ることで、自分のフライトに役立て、相手の立場に立った、思いやりのある、安全、かつ効率のよいフライトが出来るようになるからです。
上記の考えと同じで、私は教官として、管制塔やレーダールームに訓練生さんや、既にライセンスをお持ちの方を喜んでお連れ出来るように心がけています。 セキュリティーの厳しい昨今ですが、当局に事前にアポをとりお連れします。 なぜそこまでするかというと、操縦教官の責任のひとつ、『空の安全を守る』と言う見地からすると、相手の立場を理解しながら飛ぶと言うことが、安全性を確保する上でとても大事だからです。 この話は掘り下げればCRMまでもつながる大事な考え方です。
皆さんも、違う空の世界を経験したときは是非我々にも教えてください。
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