ついにソロフライトに出ました。
といっても、D教官に許可を戴くまでは紆余曲折がありました。
思い起こせば小学生の頃、田宮次郎主演の「白い滑走路」という渋いラインパイロットのドラマを見て飛行機に目覚め、パイロットに憧れるも実現ならず…。それでも何とか航空業界に身を置きながら今に至っていました。 「空を飛ぶ」夢が捨てきれずにいたところ、今年の1月、小型機を所有し操縦資格を持つHさんと出会いました。「ラインパイロットがすべてでない。VFRで自由に飛べる爽快さは最高だよ!」と、大自然を感じて飛ぶフライトの素晴らしさを聞かせて頂き、気持ちが熱くなりました。時差の問題もないグアムでフライトレッスンが受けられるとのことで、Hさんの友人のKさん、さらに実際にトレンドベクターで資格を取得されたTさんに訓練の様子など伺い、その場で資格に挑戦してみようと決心。 「まずは一歩を踏み出そう!」そう思い、2月にFAA身体検査を受け、3月初旬にグアムに飛びトレンドベクターの門を叩きました。
評判どおり、教官の方々はとても飛行機好きで情熱的に指導してくださいます。セスナも綺麗で格好いいんです!空港に着いた直後から早速一本目の訓練飛行。操縦桿を自分で握り、離陸したときはまさに夢のようでした。グアムの美しい夕日に照らされながら旋回の訓練など、興奮の初フライトでした。 しかしその後、上昇・降下、パワーオン・オフストール、スティープターン、トラフィックパターンを回りながらタッチアンドゴーなど、訓練が進むにつれ、イメージどおりには頭と身体が動かず、落ち込むこと度々…。それに、やたら肩に力が入ってしまい、教官から何度も「力を抜いてください!」との声が。仕事で慣れているはずの航空無線も、操縦桿を握りしめるあまりマイクも押しっぱなしにしてしまう恥ずかしい失態も。「外をよく見て!」「Fly the airplane!」「何か忘れてませんか?」…。教官からの指導が飛んできます。
そんな私も、3月下旬、大震災で渡航自粛すべきか迷った挙句思い切って行った2回目の訓練で何とかソロの許可を戴きました。夕方の初ソロでしたが、TAXI中に計器照明がつかず、無念の引き返し。今回は流れたかと思っていましたが、翌日帰国前に飛行機を空けて頂き、再挑戦。教官の愛用ヘッドセットをお守りに、一人RWY6Rへ。普段どおりチェックリストを終え、離陸許可をもらって離陸。思わず、「Airborne!!」と心の中で叫びました!しかし喜びも束の間、Showerが接近、タッチアンドゴー3回予定を2回だけで着陸することに。もっともっと飛びたかったのですが、無理は禁物と自分に言い聞かせました。
ハンガー前に帰る頃には、本降りのshower。しかしその中をD教官とO教官が待っていてくれました。ホースでさらに祝福の雨を体中に浴び、C172Pの前で記念写真。水も滴る思い出のファースト・ソロとなりました。 最初からNo Goやフライト中断の判断をすることになり、この先が思いやられます。しかし、無理をしない経験ができたので良しとしておきます。 僕を応援してくださっている皆さん、訓練仲間の皆さん、それに勿論トレンドベクターの皆さんに大感謝です。このファーストソロの感動と緊張感を忘れずに、雄大な空を思う存分楽しめる日を夢見て、これからも訓練を頑張って行きたいと思います。
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