訓練会員の、blue sky@around 60's さんが自家用操縦士免許実地試験に合格されました。
誠におめでとうございます!
合格体験記をいただきましたので、ご紹介させていただきます。
それは2006年9月の54才10ヶ月の時でした。パイロットになるための視力検査が大幅に緩和されたとの情報を聞きつけたのがすべての始まりでした。それまでは自分の視力ではパイロットは無理と思っていましたが希望が出てきました。早速インターネットで検査要項を調べ、なんとかいけそうと判断すると次はフライトスクール選びです。目的のグランドキャニオンを目指すにあたり、どの国のどんなフライトスクールに行けば最短で達成できるのか?しかも60才前にパイロットになり、グランドキャニオンを目指す事を自分の目標に定めました。
仕事は自分一人で自営業を東京で行っておりますので、海外に出かけられるのはせいぜい1回に付き1週間!しかも毎月は絶対無理!最低でも3ヶ月に一度程度と考え、場所とフライトスクール選びを開始。
グランドキャニオンフライトのためにはアメリカ本土で取得するのが一番ですが、数ある体験記を読ませていただくとやはり移動の時差ボケが問題でした。1ヶ月くらいの滞在であれば問題ないのですが、1回に付き1週間程度のスケジュールだと、太平洋横断の移動ために片道12時間ほどかかります。さらに時差ボケを考えると、実際のトレーニング期間は4日間程度。さらに天候の急変など諸条件を加味すると、55才を目の前にした自分にはハードルが高すぎると判断しました。
ではカナダやフィリピン、さらにはインドネシア、中国の短期留学も考えましたが、結局FAA(アメリカのパイロットライセンス)に書き換えする時間や手間、費用を考えると厳しいものがありました。
さらに情報収集です。
今はインターネットの時代 「間違いのないフライトスクール選び」とか「海外パイロットのすすめ」とかさらに個人の方のホームページも大変参考になりました。ホームページを拝見すると初めてメールするにも関わらず、どんどんとメールをさせていただき、現状把握に努めました。
私の選択条件はまず、1.まじめなフライトスクールであり、2. 東京からの移動が大変ではないこと 3.かつ時差も少なく、4.フライトトレーニングの料金が一括ではないこと!の厳しいものでした。その条件にかなったのがグアムベースのトレンドベクターエビエーションでした。
早速2006年11月、55才の時、トレンドベクターエビエーションの日本本社に電話をしてみました。社長の小林さんが最初に電話に出てくれ丁寧に説明をしただき、我が社にはATPももつベテランの教官がおりますので大丈夫ですよと言われましたが、その時の私はATPの言葉すらわかりませんでした。(あとでエアーラインのパイロットとわかりました)
お金もかかりますが、自分にパイロットの適性があるのかとても不安だったので、2007年2月に体験操縦をお願いして実際にグアムに行き、まず飛んで見る事にしました。その時の教官が茂手木教官でした。(写真 1)
初めてお会いしましたが、大変ソフトな物腰で私を空へ招待してくれました。今思い出せば、まるで飛んでいると言うより浮かんでいるようでした。
しかし自分で訓練を始めるとそれはまさしく飛んでいると実感出来ました。
そして自分に適性はあるとわかったものの、それまでダイビングをしていた事を引きずっており、実際の訓練開始は翌年の2008年2月、4月に3日ほどずつフライトトレーニングし、同7月にFAAの航空身体検査を行いました。以後、9月,11月に滞在1週間の本格的な訓練を開始しました。
茂手木教官は同9月まで教えていただきましたが、ご退職のため11月からは大薄教官に教えていただきました。そして11月の訓練最終日には風が少なく、飛行場も混まない時間帯の早朝を選んでいただき、念願のソロに出していただきました。本当に感動しました!!忘れもしない57才誕生日の次の日、11月18日の事でした。なぜか私のフライトの節目は誕生日近くとなりました。
ソロフライト!たった一人で飛ぶフライトは、なんとクールになれるのでしょうか?
そうなんです!当たり前ですがソロなので自分ひとりしか飛行機に乗っていないのです。一度飛び立った飛行機を自分以外は着陸させることはできないからです。なんと大変なことなのでしょうか?「自分を信じて、教官に教わった通りにやればできるんだと」言い聞かせ3回のタッチアンドゴーを無事行いました。
その日の夕方には日本に帰国しましたが、帰りの成田エキスプレスではうれしさがこみ上げてたまりませんでした。
2009年1月 柔らかな地面へのLanding & take off 、障害物をクリアしてのLanding & take off、4月にはフード装着で計器飛行、電波誘導のVOR計器の使い方を学び、6月にはまたソロ、そして教官と二人で行くサイパンへのcross countryに出かけます。
10月には夜間に教官と出かけるサイパンcross country。そして11月には58才になり、自分のタイムリミットは刻々と迫ってゆきます。
明けて2010年の1月には、ついにたった一人でのソロ、サイパンcross countryを敢行! 全行程3時間をすべて一人で切り盛りしてフライトをして、計画したコースで行き、無線もすべて行なわなければなりません。そしてサイパンでタワーにコンタクト、許可をもらってタッチアンドゴーをし、また安全に戻って来なくてはいけません。また途中は雲をよけ、視界を確保しつつ、コースどおりに計画時間通りにフライトしてゆくのです。グアムを出発、リディイアンビーチ(グアム最北西地)が後方にかすんでくると、さすがにさびしさは禁じ得ませんでした。
無事、帰ってくると次は2回目のソロ、サイパンcross countryの準備です。今度はさらに課題が一つ増え、ロタ島でのタッチアンドゴーも含まれます。この2本のソロ、サイパンcross countryが終わるころには見た目は大分パイロットらしくなって来ますが、完成度はまだまだです。
Studentはさらにbrush upが必要なのです。(写真2)
2010年4月には女性の青木教官と最も若いラッセル教官にbrush upしていただき、さらに7月とトレーニングは続きます。
ここで遅めだったのですが9月にはwritten試験を嶋教官のアドバイスを受けて受験致しました。(試験結果は2年間有効)70%以上は合格ですが80%以上の方が最後に受験するときの実技試験官の印象は良いそうです。ちなみに私は88%でした。トレンドベクターエビエーションでは85%が取れるまでは試験に出して頂けないと聞いておりましたので、知識が不鮮明になると、繰り返し繰り返し、ひたすらリピートして勉強致しました。
ご同輩の方々!年をとっても繰り返せば大丈夫です。ご安心を!!アメリカ本土では70才代で初めてライセンスを取得された方もいらっしゃると聞き、さらに勉強に熱が入りました。
そして10月に総復習、今までのフライトに関して細部に至る部分までの修正です。実際の試験ではPTS(試験基準)があり、中でもマニューバ中の高度のずれが+-で100ft以内、方位も+-10度が限度です。
この頃になると担当インストラクターのテンションも最高潮、ミスはすかさず指摘し、ビシビシと直されて行きます。それは、高度や方位がずれたまま飛び続けると、そこで試験は終了となってしまうからです。
11月,59才を目の前に最後の練習です。試験の予定日は11月19日、59才と2日目の出来事になるはずです。毎日がゾクソクする緊張感です。
ここに至るまで担当の青木教官はstudentの能力をすべて引き出すべく渾身の努力で教えていただきました。
11/19 Check ride当日は5時起床。6時ピックアップ、ホテルまで青木教官とラッセル教官に迎えに来ていただきました。
試験はディルクスさんにより朝7時20分から始まり、書類審査、口頭試問で1時間半ほど、preflight Check中も質問は続き、その後、 1.8時間の実技Checkです。マニューバの最後はグアム特有の右からの横風の中、Forward Slip ,Normal landing でメインタイヤからキュッとおりる事ができ、自分の満足ゆくランディングで締めくくれました。
試験官の方は、それまで出来が良いとか悪いとかの評価は一切ありませんでしたが、最後に自分の満足のゆくランディングが出来たことで、とてもすがすがしく感じました。
その後Runway上でハンガーに戻ったら君にライセンスをあげようと言われ感動のあまり言葉に詰まり、[Thank you]の一言に自分の思いを凝縮しておりました。
試験後のディブリーフィングで試験官のデュルクスさんに「良くトレーニングできているね」とお褒めの言葉までいただきました。
これは私が代表して伺いましたが、教わったすべてのTVAの教官の方々のおかげの言葉だと思っております
最初の最初が小林社長との電話とメール、
そしてホップ:イントロでお世話になった茂手木教官、
次いでステップ:東京での出張グランドスクールで教えていただきました川上教官、大薄教官、
そして大薄教官にはグアムにてソロに出していただきました。
最後のジャンプ:嶋 主席教官、青木教官、ラッセル教官にきっちり仕上げていただきました。
そしてタイムリミットの60才まであと11ヶ月、来年2011年4月には自分の手で飛ぶ、念願のグランドキャニオンフライトを計画しております。ロスアンジェルスから1泊あるいは2泊でグランドキャニオンを目指す計画です。米国本土の航空地図も手元に届きましたので、これから夢の実現!クロスカントリーに向けてフライトプラン作りに入ります。
ご同輩の皆様! そして空にあこがれを持つすべての方々へ! TVAでご自分の夢をかなえて下さい。
トレンドベクターエビエーションの教官の方々は、きっとあなたの熱意に答えてくれるはずです。
blue sky@around 60's 記す
eagle様
暖かいコメント頂き、本当にありがとうございます。
これから空を飛ぶ仲間として,皆さんと
同じスタートラインに立てました。
今後ともよろしくお願いします。
グランドキャニオンには頑張って行って来るつもりでいます。
投稿情報: blue sky@around 60's | 2010/12/04 18:35
blue sky@around 60's 様
おめでとうございました。
チエックライトの時までいてお祝いをしたかったですが
早めの帰国で申しわけありませんでした。
夢のグランドキャにオンのフライト報告楽しみにしています。
投稿情報: eagle | 2010/12/04 07:53